GREETING

過去の会長挨拶

2021年度~2022年度 会長挨拶

日本看護系学会協議会 会長

 2021年6月の社員総会で、会長を拝命いたしました。諸先輩が高い志をもって設立、発展させてこられた日本看護系学会協議会(JANA)の運営を、これからの2年間お引き受けすることに、身の引き締まる思いです。社員学会のご支援をいただきながら、役員の皆さまとともに、微力を尽くす所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 2年前、初めて本協議会役員をお引き受けした頃には、今日の状況を全く想像しておりませんでした。看護をめぐる状況は、2020年1月以降、COVID-19のパンデミックによって大きく変わりました。社員学会の皆様は、それぞれのフロントラインで、たゆまぬ努力を続けていらっしゃることと拝察し、心より敬意を表します。
この状況に、JANAでは、社員学会が専門領域で開発・蓄積した知識、開発したCOVID-19関連のガイドラインをJANAホームページに集積しました。さらに、学問領域を超えた連携によって感染症に立ち向かうため、小松前会長のリーダーシップにより、日本学術会議を通じて、あるいは医療系4学協議会による共同の意思表明によって、関連機関や社会への発信を行いました。2020年度に発出した6度の声明・要望書は、JANAホームページに掲載しております。このような活動は、まさにJANA定款にある「看護学の学術的発展をめざす看護系学会の相互交流と連携をはかり、看護学研究の成果を社会に還元する学会活動を支援し、また看護学学術団体の立場から、人々の健康と生活の質の向上のため国や社会に向かって必要な提言を行う」という目標の体現であると思います。

 感染症との戦いは続き、その見通しは未だ不透明です。現在48学会となった社員学会とともに、引き続き看護学として貢献を続けたいと思います。さらに、それらの活動について市民にもご理解いただくよう努力すること、関連する他の学問領域の学協議会との連携を進めることに、引き続きまい進する所存です。
今期の理事会では、上記と共に、JANAの使命を実現できる組織の在り方をより確かなものとするために、JANAの将来構想と、組織の成り立ちや運営に関する記録のアーカイブ化に取り組んでまいりたいと思います。他領域の学協議会との連携は、多様なガバナンスの在り方を知る機会ともなり、そのプロセスでJANAの強み、取り組むべきポイントも見えてきたように思っております。異なる組織との連携・協働が、JANAのさらなる洗練・強化につながることを実感しており、ステップアップにもつながることを願っております。

 会員の皆様とともに、人々の健康と安寧に寄与できるような活動をめざし、なお一層社会のニーズに応え、未来を拓く組織として発展していきたいと願っております。どうぞ皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

一般社団法人 日本看護系学会協議会
会長 萱間真美

2019年度~2020年度 会長挨拶

2019年6月23日の日本看護系学会協議会社員総会において理事、監事が承認され、新しい理事会がスタートしました。国内外の健康課題解決に向けて、看護学分野の英知を結集できるよう、役員一同、一生懸命に取り組んで参りますのでご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 本学会協議会の目的は、看護学の学術的発展をめざす看護系学会の相互交流と連携をはかり、看護学研究の成果を社会に還元する学会活動を支援することであり、また看護学学術団体の立場から、人々の健康と生活の質の向上のため国や社会に向かって必要な提言を行い、国内外の学術組織との相互協力を推進していこうとするものです。現在、日本の看護界を代表する学術的な連合体として、47学会が連携・協働し活発な学術活動を推進しています。

 少子高齢社会・人口減少社会の進展、自然環境や社会環境の激変を実感する今日、本学会協議会の使命はますます大きなものになっています。ゲノムサイエンス・分子生物学などの生命科学の発展、AIやIoTなどの先進科学技術の開発により医療は画期的な発展を遂げています。一方で、先進的医療だけでは解決できない、人々の暮らしや生き方に深くかかわる健康課題が山積しているのも事実です。看護学は、<いのち>をcure(救う、助ける、治す、キュア)する 行為と<いのち>をcare(守る、癒す、回復する、育む、ケア)する行為を融合することにより心身の健康を向上させ、日常の営みを意義あるものとできるよう専門的知識・技術を発展させてきました1)。今後、多様性や複雑性を包含する健康課題の解決をめざし看護学のさらなる発展・深化が求められています。そのために、本学会協議会の活動の中核である<社員相互の情報交換>や<日本学術会議および国内外の学術組織との交流・相互協力>の推進が不可欠です。これまでに、「災害における看護」「看護ケアガイドライン開発」「医療安全」「高度実践看護」「公的研究費拡大推進」など、看護学分野の共通課題について情報交換や協議を進めており、社会への成果の還元に結びつく活動の展開が期待されています。これらの事業に加え、新たな事業として「学会誌の質向上に向けた倫理推進」「将来構想検討」などを推進します。いずれの事業も看護系学会のみならず他の学問領域との連携・協働を図る中でよりダイナミックな成果へとつなげたいものです。

 本学会協議会は、2001年、第18期の日本学術会議で看護学研究連絡委員会の発足が認められたことを機に設立されて以来、日本学術会議との強固な連携を図りながら看護学の専門性の確立をめざした活動を推進しています。日本学術会議では、「学術の大型研究計画に関するマスタープラン」(マスタープラン)の策定を進めています。マスタープランは、学術的意義の高い大型研究計画を網羅し体系化することにより、学術の発展に寄与するとともに、学術の方向性に重要な役割を果たす我が国の大型研究計画のあり方について一定の指針を与えることを目的とするものです。日本学術会議の看護学分科会との連携のもと、本学会協議会において社員学会の意見が集約され(2019年3月10日説明・意見交換会)、他の関連領域の分科会等との連携を経て、第24期のマスタープラン(2020)の提案に至ったことは、大きな成果であり、看護学の発展に向けたマイルストーンになるものと思います(意見交換会のPDF資料を添付します)。

 ワクワクする活動の継続には、安定した強固な組織づくりが必須です。社員学会よりの大切な会費をより効果的に効率的に執行できるよう、理事会を中心に本学会協議会のガバナンスをより一層高めていくための弛まぬ努力を行って参ります。

 会員の皆様とともに、看護学の発展と看護の価値の普及、人々の健康と安寧に寄与できるような活動をめざし、なお一層社会のニーズに応え、未来を拓く組織として発展していきたいと願っております。どうぞ皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

  • 1)日本学術会議 提言「ケアの時代を先導する若手看護学研究者の育成」平成26年(2014年)日本学術会議 健康・生活科学委員会看護学分科会
2019年度~2020年度 会長
小松 浩子

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