GREETING

日本看護系学会協議会 
会長挨拶

日本看護系学会協議会 会長

 2025年6月の社員総会におきまして、日本看護系学会協議会(JANA)会長を拝命いたしました。歴代会長の皆様が築き上げてこられた本協議会の歩みを受け継ぎ、看護学の発展に寄与すべく、役員の方々とともに力を尽くしてまいります。社員学会の皆様の支えをいただきながら、学術と実践の融合をさらに促進し、時代の要請に応じた新たな取り組みを進めてまいります。
 看護界の変化は日々加速しており、専門性の向上、エビデンスに基づく実践の強化、そして患者・市民へのより良い情報提供が、ますます求められています。これまで本協議会が積み重ねてきた議論を礎に、看護職がその専門性を十分に発揮し、より質の高いケアを提供できる環境を整えることが不可欠です。
 高度実践看護師(APN)制度の推進においては、これまで多くの議論が重ねられ、看護職の役割に関する認識が深まってきました。本会は今後も学協会間の連携を強化し、社会的認知の向上を図りながら、患者・家族・地域との協働を促進し、より実践的な制度設計へと進めてまいります。
 また、看護学が持つ豊富なデータの活用は、今後の発展において欠かせない要素です。各学会が蓄積してきた質的・量的データを統合し、科学的根拠に基づく看護実践の強化を図ることで、看護の社会的価値をさらに高めていく必要があります。データ駆動型のアプローチを活用し、実践に即した知見を提供することによって、看護学の発展に新たな道を切り開いてまいります。こうした知見が現場に活かされることで、患者・家族・地域に寄り添いながら、より質の高い看護を提供できる環境を整えることができると考えています。
 同時に、日本学術会議をはじめとする関連学協会との連携を深め、看護職がより倫理的かつ安全なケアを提供できるよう支援していくことも重要です。「Choosing Wisely」キャンペーンでは、各学会の理念と活動方針をもとに、患者・市民向けの推奨リストの作成・公開を推進し、医療職との対話を促進することで、ケアの質を高めていくことが求められます。JANA専用ページの構築を進めながら、看護学の知見が社会へ浸透し、より多くの人々にとって有益な情報となるよう努めてまいります。
 学術の発展と実践の向上を図るためには、学会間の協力をさらに深め、JANAの持続可能な財政基盤を構築していくことも欠かせません。適切な支援体制を整え、看護学の発展が継続して社会に貢献できるように取り組んでまいります。
 今後も本協議会の活動を通じて、看護職が社会の中で一層専門性を発揮し、患者・市民とともに新たなフェーズを創造できるよう、皆様とともに歩んでまいりたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

一般社団法人 日本看護系学会協議会
会長 池田真理

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